この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
依頼主の夫は3年前に不倫していることが発覚しました。その時には、夫が真剣に謝ってきたことと、不倫相手の女性が若かったこともあり、依頼主は夫と不倫相手それぞれに二度と会わないという念書を書かせて、特に慰謝料を請求することもなく許すことにしました。しかし、半年くらい前から夫が新しいスマホを持つようになり、なんとなく誰かと連絡を取っているような気配がしましたので夫の様子を注意していました。たまたま車の中に見慣れない紙袋の切れたものをみつけたところ、今まで夫が行ったことのないようなコーヒーショップのものであることが分かり、若い女性と会っているのではと思い、興信所に調査してもらいました。すると以前不倫関係にあった女性と会っていることが分かり、依頼主は夫との離婚と慰謝料を請求することを考え、当事務所に相談に来られました。
解決への流れ
依頼主は、離婚を強く希望されていましたが、専業主婦の方でしたので、離婚後の生活を確保することを第一に考えて、財産分与、年金分割についても検討しました。財産分与については、夫名義の自宅や預金がありましたが、市内に住む二女の協力があり、依頼主と同居することが可能になりましたので、不動産は分与の対象とせず預金をもらうことにしました。また、不倫相手は、それほど収入はなかったのですが、二度目の不倫でしたので、50万円ほど慰謝料を請求することにして和解しました。
経済的な理由で離婚を躊躇されている方もいるかと思います。この事案でも、依頼主は、その点を一番気にしておられました。この事案は、住居面で二女の協力が得られたので、今後の生活を考え現金(預金)を多くもらうという選択が可能になりました。また、年金分割の手続きも進めましたので、当面は経済的には問題がない状態を確保できましたので、離婚の手続きを進めることができました。不倫は許せない、離婚だ!と考えることはあるかと思いますが、今後の生活を確保することも重要です。弁護士にご相談いただければ、離婚後のことも考えてアドバイスができると思います。