この事例の依頼主

50代 女性

相談前の状況

事実婚の夫が死亡したところ、夫の子から家を追い出されたとして相談に来られる。その際、会社の規程上、退職金が「遺族」に支払われることになっており、依頼者は、その支払請求手続きと遺族年金の手続きを行っていた。これに対し、夫の実母が同様の請求をしたため、請求が競合した。

解決への流れ

保全処分によって家に戻ることができた。遺族年金は、審査請求も再審査請求も認められなかったため、退職金と併せて訴訟を提起した。訴訟では、第1審では認められなかったものの、控訴審で勝訴した。その結果、遺族年金と退職金の両方を得ることができ、引っ越しもすることができた(家は、相続財産であり、事実婚の配偶者には相続権がないため。)。

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小泉 博嗣 弁護士からのコメント

事実婚の配偶者は、相続権がないため、生命保険の受取人にしたり遺言書で財産が遺されたりしなければ、他方の配偶者が亡くなった時に財産は残りません。これに対し、遺族年金や退職金(但し、勤務先による)、また、保険(但し、保険の内容による)は、「事実上の配偶者」も受け取る余地があります。事実婚の配偶者は、相続人ではないため、後日、故人の医療や介護に関する契約書やカルテ等を入手することが困難です。これらの特に「続柄」欄は重要になりますので、写しを手元においておくことをお勧めします。