この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
依頼者の父が,全ての遺産を兄弟等に相続させる旨の公正証書遺言を作成して逝去しました。そのため,依頼者は,本来得ることのできるはずであった遺産を受け取ることができませんでした。
解決への流れ
依頼を受けた当職は,自ら遺産の調査を着実に行うとともに,遺産である未上場株式の適正な評価をするべく,相手方に対し,当該企業の貸借対照表に記載された財産の実質的価値を算定するための資料の提出を求めました。詳細は記載できませんが,交渉の結果,依頼者は,多額の価格弁償金を得ることができました。
遺言の内容が遺留分を侵害する場合,遺留分減殺請求をすることができます。未上場の株式が遺産の大きな割合を占める場合,財産評価基本通達などに定められた株式の算定方法にこだわらず,ほかのより有利に適正な株式価値を算定する方法がないか十分に検討をする必要があります。株式の評価方法には多様な方法があり,どの方法を用いるかにより大きく評価が変わり,請求できる金額も変わってくるからです。当事務所は公認会計士などとも協力して最大限有利な評価方法を検討し,その方法による算定結果を裁判所が受け入れる可能性も示しながら,交渉を進めました。その結果,依頼者にとって満足できる額の価格弁償金を得ることができました。